郡上市(岐阜) 白尾山(1612.4m) 2022年2月26日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:05 駐車箇所−−6:26 除雪された車道−−7:20 ゲレンデ−−8:39 ゲレンデ終点−−8:45 林道−−9:10 休憩(標高1280m) 9:27−−10:56 白尾山 11:33−−12:13 林道−−12:20 ゲレンデ終点−−12:57 ゲレンデを離れる−−13:13 除雪された車道−−13:21 駐車箇所

場所岐阜県郡上市
年月日2022年2月26日 日帰り
天候快晴
山行種類積雪期の一般登山
交通手段マイカー
駐車場県道路側に駐車余地あり
登山道の有無あり(知らなかった)
籔の有無積雪で埋もれて無し
危険個所の有無無し
冬装備スノーシュー
山頂の展望白山方面と南側が開ける
GPSトラックログ
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コメント畑ヶ谷集落から南西尾根で往復。実はこの尾根上に夏道があったのだが事前に情報収集をしなかったので夏道の存在を知らずに登った。しらおスキー場は廃業してキャンプ場を中心とするレジャー施設に変わっていたが、県道にある入口には利用者以外進入禁止の看板があり敷地への立ち入りも禁止らしく、旧スキー場ゲレンデ下部を迂回した。ゲレンデ上部は少なくとも冬場は利用されていないようだった。雪の締まりはイマイチだったが沈み量は足首程度が中心で、2週間前の大高山、芦倉山よりは楽だった。山頂からは白山方面の展望が楽しめる




県道路側の駐車余地 車道入口
車道入口の登山口標識(通行困難の追記あり) 最初の人家で除雪が終わり適当に上を目指す
雪に埋もれた広い車道(地形図に記載なし) スノーシュー跡を辿って尾根を登る
除雪された車道。旧スキー場へ通じる道 車道を横断して植林斜面へ
廃林道?を辿って終点へ(標高750m付近) 狭い植林帯で上へ向かう
標高800m付近。急斜面の連続 標高910m付近。やっと傾斜が緩む
標高920m付近でスノーシュー跡に遭遇 スノーシュー跡はすぐに尾根を外れて北斜面へ
尾根を直進し標高970m付近でゲレンデに出る 標高1020m付近のレストハウス。人が入った形跡なし
標高1010mのリフト終点。動いていないので雪が乗ったまま 標高1020m付近。広いゲレンデの真ん中を登った
標高1100m付近でゲレンデを離れて尾根に乗る 尾根南側は植林。ゲレンデより雪質は良かった
標高1160m付近で再びゲレンデへ 1245m峰のリフト終点
1245m峰から見た南西側の展望
1245m峰のリフト東側がゲレンデ終点 ゲレンデ終点の白尾山案内標識
芦倉山でも見た標識。でもこちらは「用心」が間違っている ゲレンデ終点から尾根を進む
1220m鞍部で林道を横断。無雪期はここまでマイカー可らしい 尾根上には目印多数あり。夏道があるとは知らなかった
標高1280mで休憩 1350m肩の標識。「カワズ洞国有林」
標高1380m付近の境界標識? 1420m峰から山頂方向を見ている
1410m鞍部付近のブナに開いた穴。キツツキの仕業か 標高1510m付近の笹
標高1550m付近 標高1600m付近。一時的に樹林が切れる
白尾山山頂手前 白尾山山頂手前から見た西方向
白尾山山頂手前から見た南西方向
白尾山山頂 頭だけ出た山頂標識
白尾山から見た東〜南の展望(クリックで拡大)
白尾山から見た白山〜猿ケ馬場山
白尾山から見た穂高連峰 白尾山から見た木曾御嶽
白尾山から見た乗鞍岳 山頂の自分の休憩跡
登ってきた南西尾根 自分のトレースを下る
ゲレンデトップに到着 レストハウス
標高970mでゲレンデを離れて尾根を下る 標高820m付近の急な下り
往路も通った廃林道終点 眼下に車道が見えた
車道を横断して下部の伐採地を下る 下ってきた尾根を見上げる
広い車道を突っ切る 梯子がかかった杉
人家横が除雪終点 除雪終点から僅かで県道


・白尾山は鷲ヶ岳の南側の山。尾根続きであるが鷲ヶ岳の登山道は山頂でぷつりと終わって笹の海が広がっているので白尾山まで縦走は不可能だ。地形図にも白尾山の道は出ていないこともあり道は無いと考えて積雪のある時期に登ることにした。本当は白山周辺に登りたかったのだが、強い冬型でまたもや北陸は大雪が降ったはずで激ラッセルが予想されたため、ずっと南で降雪が少なかったと考えられる白尾山になったのであった。

・ルートであるがアプローチの都合上、西側に延びるいくつかの尾根のどれかを使うことになる。今回は雪質を考慮してできるだけ南向きの尾根や斜面が使えるよう、旧しらおスキー場付近から登ることにした。スキー場は廃業したことはネットで知ったが、スキー場に至る車道はもしかしたら除雪されているかもとちょっとだけ期待を持つ。まあ、基本は未除雪で県道から歩くことになるのだろうが。

・郡上は長野から遠く、安房トンネル経由で今回は睡眠時間確保の意味で東海北陸道も利用。高鷲ICで降りたが地形図を良く見たら白鳥ICで降りた方が近かった。目的地の途中で仮眠。この付近は長野市街よりずっと積雪が多く道路脇は数10cmの積雪があった。

・朝飯を食って車を走らせ、目的の旧しらおスキー場入口に到着すると車道は除雪されていたが、スキー場の廃業後に別の施設(エナジーアクティブフィールドしらお)として再オープンしたらしく、その利用者以外はいかなる理由でも進入禁止と書かれた看板が出ていた。これは乗鞍岳南側の子ノ原高原にあるキャンプ場に通じる車道と同じで、過去に何かトラブルでもあったのだろうか。最初から県道から歩くつもりでいたので問題は無く、県道を少し下って畑ヶ谷集落から旧スキー場へと上がる別の車道入口に向かった。

・目的の車道入口に到着。意外にも白尾山登山道入口の看板があったが「通行困難」の追記があり、昔は夏道があったのが廃道化したのだと思った(実際は違っていた)。入口からすぐに人家があり除雪はそこまでであった。人家の真横に駐車するのも気が引けるので県道の路側が広がった箇所に駐車。まだ日の出前だが周囲は明るくなり始めてライトが不要な明るさになっており、LEDライトは使わずに歩きだした。

・本日は距離が長いので重い防寒長靴ではなく登山靴とし、スノーシューに念のために軽ピッケルを持つことにした。ストックも持つ予定が普段は使わない物品だったので出発時に持つのを忘れたが、無くても支障はなかった。今回は好天が予想されたので今シーズン初めて日焼け止めを持った。

・除雪終点からは予想外にスノーシューの跡が登場し、私と同じく白尾山を目指したのだろうか。この跡を辿って車道から外れて立ち木が無い伐採された斜面をまっすぐ登っていくことにした。雪は良く締まってスノーシューならほとんど沈まず、これなら予想よりずっと楽に山頂に立てそうだ。

・伐採地?の真ん中付近で地形図に記載されていない広い車道が登場。積雪で道路そのものは見えないが道幅や法面の整備状況からして舗装道路だろう。これが旧スキー場に通じる道だと思い、入口は除雪されていたがここは未除雪なのでゲレンデ自体は無人でゲレンデ内と登っても大丈夫だろうと一安心した。

・スノーシュー跡は小さな尾根に取り付いて高度を上げ、小ピークに立つとその先は急激に高度を落として眼下には除雪された車道が登場。先ほどの雪に埋もれた道は別の道で、こっちが旧スキー場へ至る道であった。どうも真冬でも営業しているようで、旧スキー場敷地は避けて登った方が無難そうだ。このまま登るともろにスキー場に入ってしまうので舗装道路で下りに方向転換し、杉の植林帯から斜面に取付いた。スノーシューの主はどうしたのかは不明だ。

・植林帯の中にはカモシカの足跡あり。ここは日陰になる影響か雪は締まっておらず歩きにくいが、それでも激ラッセルだった大高山よりはマシだ。一旦傾斜が緩むと林道のような幅が広い道筋に出て終点まで辿り、すぐ東側に見えている細い筋状の植林帯に沿って急斜面を登ることにした。地形図では旧スキー場南側の斜面はどこも傾斜が急であり、このままトラバースを続けても意味がなく登ってしまった方がいいだろう。

・地形図通りの急斜面であったが、南斜面だけあり大高山より雪質はマシで足元の雪が大きく崩れることはなく快調に高度を上げていく。足の沈みは足首よりやや浅い程度で踏み抜きが無いのはありがたいが、しスノーシューでは足に負担がかかる傾斜で、できるだけ緩い箇所を選んでジグザグに登っていく。途中で植林は終わって落葉広葉樹委の自然林に切り替わる。

・標高910m付近でやっと傾斜が緩み、標高920m付近で南側からスノーシュー跡が登場。登り初めで見たスノーシューと同一人物のトレースだろうか。このまま尾根上を登っていくのかと思ったらトレースがすぐに斜面北側をトラバースして旧スキー場方面へと向かっていた。旧スキー場のゲレンデは今は別の形で利用されている可能性があり、私はそちらへは向かわず尾根を直登することにした。

・標高970mで旧スキー場ゲレンデに飛び出す。幸いにしてゲレンデは整備も足跡もスキー跡もない雪面で、少なくとも新しい施設はこの高さまでは利用していないことが分かり一安心。標高1010mで最初のリフト終点が登場したが、塔の上には積雪が積もったままで全く動いていないことが分かった。その先のレストハウスは積雪の影響か入口のシャッターが破損していた。レストハウス付近までは雪面に僅かにスノーシューの跡が確認できたが、これより上部では人間の足跡は皆無だった。出発時に見たスノーシューの主はいったいどこに向かったのか謎だ。

・レストハウスより上部はしばし広い谷間の斜面登り。日当たりがいいので雪が締まっているかと思いきや、表面はクラストしているが中身は柔らかく、体重をかけると足首程度までズボっと沈む。このような沈み方(踏み抜き)は新雪で同じ深さまで沈むよりもすっと体力を消耗し、ゲレンデと雪庇の柔雪は同等の歩きにくさだった。でもゲレンデはたまに全く沈まない箇所があり、そこは天国のような楽さであった。新雪だとこのような場所は皆無だ。

・1100m峰で次のリフト終点で小型の携帯電話基地局があったが今は稼働していないだろう。その先の1090m鞍部でゲレンデは尾根の北側に逃げて下っていくのでこちらは桧が植林された尾根を直進。雪は締まっていないが踏み抜きは無いのでゲレンデより格段に歩きやすい。

・標高1150m付近でゲレンデが尾根まで広がり、ここから再びゲレンデを登ることに。できるだけ南向きの斜面を選ぶと踏み抜きが格段に少なくなった。1245m峰てっぺんにリフト駅がありここがゲレンデトップだった。ゲレンデと樹林帯の境界には意外にも古びて半分に欠けた白尾山の案内標識があり、その下には芦倉山で見たのと同じ種類の赤い手製標識を発見。ただし漢字に間違いがあり「火の用心」が「火乃要心」になっていた。ちなみに芦倉山で見た標識は正しい漢字であった。

・細い尾根を僅かに下ると林道と思しき広い平坦地が尾根を越えており、確かに地形図にも記載されていた。帰宅後にネットで白尾山の記録を検索したら無雪期はここまでマイカーで入れるとのことだった。登山口にあった通行困難の文字は、おそらく旧スキー場までの道を指していたのだろう。

・林道からしばらくはほぼ水平な尾根を進む。踏み抜きはないものの常時足首まで沈む重い雪なのでラッセルはきつく、平坦でもなかなかスピードは出ない。それどころか疲労感も重くなり標高1280m付近で休憩することに。今日は日差しがたっぷりで休憩は暖かくて快適だった。顔が日焼けするのは確実なので今シーズン初めて顔に日焼け止めを塗った。いつもこんな好天に恵まれるといいのだが。この付近は尾根の南側が植林で北側は自然林だった。

・15分強の休憩で出発。標高1350m肩では「ここはカワズ洞国有林」と書かれた標識が登場。標高1380m付近では境界標識らしい頭が赤く塗られた杭が雪面から顔を出していた。この尾根には色々な種類の目印が多く見られたが、積雪期用と言うよりも無雪期用だろうか。一部の目印は雪面ぎりぎりだったりペイントの一部だけが雪上に出ていた。

・標高1450m付近を越えると枝の上に雪が乗ったままのブナの木が目立つようになった。昨日も降雪があったのか、それとも降雪後に低温が続いて解けずに残っていたのか。ブナが中心の広く緩やかな尾根歩きで気持ちはいいのだが、ラッセルは相変わらずの状況であり周囲の光景を楽しむ精神的な余裕はほとんど無かった。

・延々とラッセルを続けてようやく山頂と思える真っ白なピークが樹林越しに見えてきた。どうも雪庇ができているようだが乗り越えることができるだろうか。雪庇があるのは白尾山から西に延びる顕著な尾根で、直下はブナがほとんど無く南西側は大展望であったが、この付近の土地勘は皆無なので山岳同定は不可能。おそらく見えているのは岐阜/福井/滋賀の県境付近だろう。伊吹山は見えているだろうか。この尾根との合流点は傾斜が緩やかであり幸いにも雪庇はできておらず簡単に尾根に乗ることができた。

・西尾根に乗り僅かに東に進んだ場所が最高点、つまり白尾山山頂であった。雪面ぎりぎりに山頂標識の柱の頭が出ており、おそらく積雪は最低でも1mはありそうだ。山頂からは白山方面にはブナが無く展望良好で、南側も同様であった。東の樹林ぎりぎりに見えていたのは笠ヶ岳かと思ったら帰宅後に調べたら穂高連峰で、その右手には乗鞍岳、さらに右側に木曾御嶽が聳え、その右に長く続く白い稜線は中央アルプスに違いない。さらに右側に三角形の顕著なピークは笠置山だろう。それ以外は残念ながら同定不可能。

・山頂では北寄りの風があったので南側に下った日当たりのいい雪面で大休止。ザックの上に座ってスノーシューを脱いで登山靴によく日が当たる姿勢にすると、冷えていた足の指が温まった。登山靴は防寒長靴より半分程度の重さで軽いのはいいのだが、防寒特性はほぼ皆無。私の登山靴はゴアの防水層が劣化して防水特性はほぼ失われているので、表面の皮に防水ワックスを加熱して液化したものを染み込ませて防水性能を得ているので通気性が無く、靴用の使い捨てカイロが使えないのが難点。もっと気温が低い時期なら雪が溶けないので防水性は無視していいのだが。

・休憩を終えて下山開始。帰りは自分のトレースがあるのでラッセル不要で劇的にスピードが速くなり、登りでかかった時間は休憩込みで約4時間50分だったが下りは約1時間50分だったので、下りは登りの37%の時間しかかからなかったことになる。激ラッセルだった大高山では登り5時間下り1時間と時間差がさらに大きかったが、これはラッセルのきつさと全行程の平均斜度が白尾山より急だったことが要因だ。自分のものであれ他人のものであれトレースがあると本当に楽に歩ける。

・旧スキー場へと通じる除雪された車道に出る直前に車が上がっていったので、スキー場から転業した施設はやはり冬でも営業しているようだ。その車道以降は伐採地らしい立ち木皆無の真っ白な緩やかな斜面を下って駐車箇所に戻った。車を置いた場所は日当たりが良く車の中は暑いくらいだったが、外気温はまだ低いので少しの間ドアを開けるだけで適温になった。着替えて軽く飯を食っている間に外に干したスノーシューやロングスパッツ、登山靴は完全に乾いていた。


まとめ
 帰宅後のネット検索の結果、白尾山にはまともな夏道があり、栃洞集落から延びる林道をマイカーで標高1220m鞍部まで上がることが可能なので、無雪期なら山頂まで1時間といったところだろう。今回は夏道の存在を知らなかったので藪を避けようとわざわざ雪がある時期に登ってしまったが、ブナが落葉して展望がいいくらいしかメリットは無かったことになる。これまではそれなりに気合が必要な山のみ事前にネット検索していたが、雪がある時期に登る山はもっと広範囲に検索をやって夏道の有無を調べた方が良さそうだ。私が雪がある時期に登る山は藪を回避するのが主目的であり、近年は温暖化が進んで雪が使える時期が徐々に短くなっており、その期間は有効利用する意味でも道があるのなら長い無雪期に登った方が効率的である。

 

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